2009の最近のブログ記事
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◯CAAK レクチャー&歓迎パーティー
Thomas Monses " Patches of Representation "
内容:これまでトマス氏が制作してきた作品の紹介。
日時:2009年12月13日(日)19:00開始
会場:寺町の町家(金沢市寺町2-3-4)
参加費:1,500円
(パーティーに参加されない方は1,000円返却いたします。)
定員:40名
言語:英語
主催:CAAK Center for Art & Architecture, Kanazawa
スケジュール(予定):
19:00-19:45 レクチャー
19:45-20:00 質疑応答
20:00-22:00 パーティ
お問い合わせ:office@caak.info ※要事前申し込み
(参加ご希望の方はお手数ですがoffice@caak.info まで、お名前、所属と携帯メール以外のご連絡先をお書き添えの上、お申し込みくださ
い。)
URL http://www.caak.info
◯レセプションパーティー
Thomas Monses
内容:今回の滞在中に制作した作品のプレゼンテーションと交流会。
日時:2010年1月23日(土)
14:00~
会場:kapo(金沢市小将町1-11 山越サンアートビル内)
参加費:当日500円
定員:なし
主催:kapo
※詳細未定:内容が決まりましたらkapoウェブサイトにてお知らせ致します。
お問い合わせ:info@kapolog.com
URL:http://www.kapolog.com
アーティストプロフィール
Thomas Monses
http://themoonsmass.wordpress.com/about-2
みなさま、いつもお世話になっております。
前日の野老(ところ)さんのレクチャーも盛り上がり、勢いのままに二夜連続のレクチャーへ。
二日目は、建築家の長谷川豪さんをお招きしました。
長谷川さんは、身の回りの風景を独自の視点で捉え設計されており、最近のお仕事を通じて環境から建物を立ち上げる考え方や手法などをお聞きしました。
最近のお仕事としては、独立のきっかけとなった『森のなかの住宅』をはじめ、『桜台の住宅』、『五反田の住宅』、今年2月に竣工した『狛江の住宅』、来年2月竣工予定の『練馬アパートメント』などがあります。
・誰のものでもない空間(=誰かのモノになりきれない空間)
・ただ空間があるだけでなく、空間そのものが働きはじめるような空間の存在感
に可能性を感じていらっしゃって、建築をつくるのにいかされているようです。
森のなかの住宅では、南側が河川、北側が敷地から4mも高い遊歩道であり、見下ろされるのを施主さんが嫌がったそうです。
ですが、せっかく解放感のある森の中なのに、北側を閉じて閉鎖的にするのはもったいないですよね。
そこで、大きな切妻屋根の中に、7つの小さな小屋を並べ、大きな屋根と小さな屋根に誰のモノでない空間をつくったそうです。
この空間は、光や森の風景が取り込まれ、南側の光が反射され北側の屋根を明るくさせる働きを持っているようです。
平面図式にとらわれない発想をすることで、内外の空間だけでなく各方角の特徴をも結び付け、新たな環境へと広がっていますね。
桜台の住宅は、住宅の真ん中に中庭のような2層吹き抜け部屋がつくられ、外側に家庭菜園などをする普通の庭を設けそれらの間で生活をするような住宅のようです。
部屋いっぱいに家族共有のテーブルが設置され、テーブル下に束を立てることによって中庭としての機能も持ち合わせています。
80cm角の窓で各部屋とつながり、窓から少し離れることで死角になり個人の空間が確保されるが、中庭の空間から気配を感じ、数歩窓に近づけば家族と直接つながることもできる空間となっているとのこと。
誰のものでもない空間をつくることで、ドアの開閉による雑な関係の変化よりも、気分に応じて柔らに家族の関係を調整できる、良い手法だと思いました。
五反田の住宅は、敷地内に建物を2棟つくり、その間にらせん階段を設けスキップフロアや廊下の役割を持ち2棟をつなげています。
らせん階段は、長谷川さんが現地調査の時にただの雑居ビルより、屋外階段のついた雑居ビルの方がまちとの結びつきが強いと考えているようで何かに使えないかと思ったそうです。
部屋を移動する時に、らせん階段の窓からまちの景色を見せることで、必ずまちを体験させています。
これによって、まちに対してそれぞれ独立した食事やトイレ、お風呂のためのスペースが存在しているようであり、家で過ごすというよりも街中で過ごしているような空間となっているそうです。
狛江の住宅は、周辺が閑静な住宅街であり、パビリオンのように軽快に建てることでまちを明るくできるのではと考え、つくられたそうです。
敷地が第一種低層住居地域角地の敷地であり、建蔽率の対策として半地下を設けています。
リビングやダイニングなど客人も使う部屋を平屋一階部分に、子供部屋や寝室などプリベート空間を半地下部分に配置され、半地下の上にはリビングの床から1m高い庭を設け天窓から採光を取るようになっています。
地下に棲むことは、土に囲まれ、空を見上げて生活を動物の巣穴のようであり、外からの視線を気にせずに静かで快適に過ごせそうですね。
練馬のアパートは、それぞれの部屋をプランニングするよりも庭のバルコニーの形やプロポーションを変えることで各個性を作っていけるかを考えて設計されたそうです。
長谷川さんは、一般的な集合住宅によく見られる、玄関に水場を集め、同じ方向と場所にバルコニーを設け、同じ時間場所に出て洗濯物を干すといった均一的な部分をすごく退屈で気持ち悪い状態と受け止め、
・3層吹き抜けの坪庭があるメゾネット型テラス
・一列に細長い庭をつくり部屋を並べる
・角部屋ならL字型につくり庭側に水際をつくる
この3つの形式の個性的な庭をつなぐことで、空間に個性を出すようになさっています。
これら空間を歩くことで、まちを歩くことと一緒で通り沿いの庭を眺めたりすることと同じ様に感じればとおっしゃっていました。練馬のアパートの竣工が楽しみですね。
レクチャー後は、いつものようにパーティーです。
そうめんチャンプル~など夏っぽい料理が中心でおいしかったです。
今回は、今年4月に関東の大学に編入した、多田君が半年ぶりに寺町町屋に帰宅。
向こうでも、頑張っている様子でした。
僕らも負けていられません!
新しい環境をつくり、建築とまちを結びつき生み出す...
誰のものでもない空間が秘める可能性はまだまだありそうでワクワクしました。
今後の長谷川さんのご活躍も目が離せません。
長谷川さん、ありがとうございました。
今月発売の新建築住宅特集9月号に『狛江の住宅』が掲載されています。
CAAKメンバーの吉村さんが設計された、『N-CUBE』も掲載されているので、要チェック!!です。
それでは、みなさま楽しい夏を~
次回のレクチャーをお楽しみに。
(YW)
こんにちは
第7回目の勉強会です。
今回は60年代の日本の住宅建築を調べてきました。
登場したのは西澤文隆、白井晟一、篠原一男。
この頃の日本は高度経済成長期や四大公害病が発生など
都市の変化がありました。
取り上げた建築もそんな都市と距離をとるように
壁で囲う・哲学的な創造など、内向的でした。
日本の住宅ポストモダンがチラっと見えた気がします。
次回はいよいよコンペに向けて本格始動しますよー。
(sk)
レクチャー&パーティのお知らせです。
2009年7月18日、トラフ建築設計事務所の鈴野浩一(すずの こういち)さん、禿 真哉(かむろ しんや)さんをお招きして、レクチャー&パーティを行います。
トラフのお二人は、建築の設計をはじめ、インテリアデザイン、展覧会の会場構成、プロダクトデザイン、空間インスタレーションやムービー制作への参加など、幅広いデザインに取り組んでおられます。
レクチャーでは、初期の作品をはじめ、21_21 DESIGN SIGHT 「骨」展、Y150 NISSAN パビリオンの会場構成、横浜に竣工した住宅など最近作をお見せしていただきながら、トラフの発想法についてご紹介していただきます。
みなさまお誘い合わせのうえ、どうぞご参加ください。
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CAAK Lecture 24
トラフ建築設計事務所「トラフ的発想法」
【日時】2009年7月18日(土)19:00開始
【会場】寺町の町家(金沢市寺町2-3-4)
【参加費】1,500円(パーティに参加されない方は1000円をご返却いたします。)
【定員】40名
【スケジュール】
19:00-19:30 レクチャー
19:30-20:00 質疑応答
20:00-22:00 パーティ
【主催】CAAK: Center for Art & Architecture, Kanazawa
【講師プロフィール】
トラフ建築設計事務所
鈴野浩一(すずの こういち)と禿真哉(かむろしんや)により2004年に設立。
建築の設計をはじめ、インテリアデザイン、展覧会の会場構成、プロダクトデザイン、空間インスタレーションやムービー制作への参加など、幅広く取り組んでいる。
主な建築作品に「テンプレートイン クラスカ」「テーブル オン ザ ルーフ」「回転体」「UDS上海オフィス」「NIKE 1LOVE」「ブーリアン 東大医学部教育研究棟 鉄門カフェ」「港北の住宅」など。
2005年「テンプレート イン クラスカ」にてアジアデザインアワード アジアデザイン大賞、「ブーリアン」にてJCDデザインアワード2007金賞、商空間アワード2007 グランプリ受賞。「NIKE 1LOVE」でJCDデザインアワード2007銀賞。ベストデビュタント賞 2008(MFU主催)にも輝く。
【関連URL】
トラフ建築設計事務所
http://www.2121designsight.jp/bones/index.html
【お問い合わせ】office@caak.info
※要事前申し込み(参加ご希望の方はお手数ですが、
office@caak.infoまで、お名前と携帯メール以外のご連絡先をお書き添えの上、お申し込み下さい。
CAAK Lecture 24
TORAFU ARCHITECTS Lecture & Party, "TORAFU's Way of Thinking"
Date: Saturday, July 18, 2009
Time: 19:00-22:00
Venue: Machiya in Teramachi (Teramachi 2-3-4,
Lecturer: TORAFU ARCHITECTS(Koichi Suzuno,Shinya Kamuro)
Admission: 1,500 Yen (CAAK refund 1,000 Yen to whom will not attend
the party)
Capacity: 40. Booking Required
Organized by: CAAK, Center for Art & Architecture,
Contact:
Please send e-mail to office@caak.info with your name and your contact
information. Prior booking required due to the limited space.
URL: http://www.caak.info
The lecture will be in Japanese.
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CAAK事務局
CAAK; Center for Art&Architecture ,Kanazawa
URL: http://www.caak.info/
blog: http://www.caak.info/jp/images/
mail: office@caak.info
こんにちは。
いつもお世話になっております。
笹が揺れる音などから、『涼』を探したくなる季節になってきました。
そんな7月の7日は、七夕です。
みなさんは、短冊にお願いを書きましたか?
晴れて天の川が見えているといいですね。
みなさまの願いが叶いますように・・・
話はかわり、今回のレクチャーは、日本の'たべる'をつくる会社Foodelco代表でありフードディレクターの奥村文絵さんです。
奥村さんの手がけた、山形県遊佐町でのイベント『17人の遊佐ごはん』や『800 for eats』を例にとりながら、今、食べること自体が『味』以外のところで考えなければならない、関われるところがあるということなどに関するお話を伺いました。
ごはんをデザインするということは、身近なものをデザインすることですね。
奥村さんは、ごはんをデザインすることを考える時に一度
・ いつ(機会)
・ だれと(ターゲット)
・ どこで(空間)
・ どのように(食器/盛付け/家具)
・ どのくらい(パッケージ)
・ なにを(レシピ/食材)
に情報を分解するそうです。
奥村さんは、これらデザインを『モノのデザイン(食器/空間/家具)・コトのデザイン(どんな風に食べるか/アクションをデザインする)・ヒトのデザイン』といった3つの軸に分類できるのではと考えていらっしゃいます。
フードディレクターとういう仕事は、これらの中心に入り、それぞれを結びつけ、一つ一つをつくるより全体を創り出すお仕事のようですね。
奥村さんが企画された『17人の遊佐ごはん』の開催地の山形県遊佐町は、鳥海山から日本海まで広がる街で、砂糖以外の食べ物をほとんど自給できるそうです。
しかし、農家の方々は、魚も豚も米といった資源が豊富にあっても、売り方がわからない人が多く、昭和初期になくなり、試験場にわずか5粒程だけ残っていた『彦太郎糯(ひこたろうもち)』を復活させても売り方がわからず困っていたそうです。
(モチという漢字は、「餅」=臼と杵で突いて作った後のモチを表し、「糯」=モチ米を表しています。)
農家の人が売り方がわからないということは、日本国内で魅力的な個性のある農産物が生産されているにも関わらず、なかなか全国に広まらない理由の一つかもしれませんね。
彦太郎糯を売り出すために、折り曲げた紙ですべて出来ている箱に紅白の餅を包み、彦太郎糯の穂、彦太郎糯の云われや生産者などを書いたおみくじ型のパンフレットなどを入れたパッケージは、2008年度のグッドデザイン賞を受賞しました。
農作業や味だけで評価されていた農業が、デザインで評価されるようになって美大生もインターンに来るようになったと聞き、人との関わり方が良い方向に変化して、広がり、食べることをデザインすることの潜在的な可能性に驚かされました。
『17人の遊佐ごはん』は、直接的に遊佐で育まれるた米(彦太郎糯、プリンセスサリー、オオチカラ)の魅力を地元の人に知ってもらうために、どこの店に行っても遊佐の米を使った料理が食べられるようなイベントを開催したそうです。
このイベントのコンセプトは、米を作った人と同じ思いで料理する人のパフォーマンスをきちんと見せてあげたいというものでした。
17人のうち、13人が料理人、4人が農家であり、使う人と作る人どちらも主役、パフォーマーであるということから『17人の遊佐ごはん』のパンフレットに掲載されています。
たしかに、農家の方のパフォーマンスも素晴らしくなければおいしい食べ物は、作れないですよね。
奥村さんは、おいしい料理をただ食べに行き、帰るだけでは人は動かないだろうと考え、お米をきっかけにたくさんの人達が動いてくれるように周辺の風景、温泉、お土産など食べること以外のアクションの情報をパンフレットに載せたりもしたそうです。
こうした企画、デザインにより地元のお米に対する関心が地域住民に広がり、エリアの百貨店などの小売店で売られたり、料理人が継続して使ったりして地域が活性化されと聞き、僕らにもその熱が伝わってきました。
800 for eatsの事例では、日本の食料自給率が40%、農業人口が2.3%でありその平均年齢が63.4歳と紹介され・・・日本の食に危機感を感じました。
そうした危機を身近に感じていなかった人、僕も含めて多い思います。
800 for eatsは、いろいろな場所からいろんなものが集まる東京を日本の八百屋(=800の由来)に見立て、いろいろなものを編集・ものづくりしようとしていて、食の情報発信基地としての可能性を感じました。
モノが集約する東京に800 for eatsがあることで、作物を育てることできなくとも、産地と一緒に日本全体の伝統と技を応援することが出来そうで今後の活動にも期待できそうですね。
800 for eatsでは、佐賀県武雄市で生産されるレモングラスや500年前に中国から伝わり九州で生産される釜炒茶、静岡・高知・九州が作り始めている和紅茶、山形県遊佐町の彦太郎糯などを扱われています。
あえて30cmほどの大きさに切られた茶葉だけに熱湯を注いで5〜6分ほどお茶を抽出しただけですが、心地よい匂いとほのかな甘さを堪能することができ、会場にいらっしゃった方は「おいしい」、「どこで買えるの」、「どうやって作るの」とうれしい声が。
紹介していただいた奥村さんと丹誠を込めて作ってくれた農家の方々、その他関係者の方々に本当に感謝です。
そんな、レモングラスを『800 for eats』のサイトで購入がすることができます。
あの味を再び楽しみたい方、飲んでみたい方、他のお茶に興味がある方、800 for eatsの活動に興味がある方は、ぜひアクセスをして下さい。
関連URL
Foodelco inc. http://www.foodelco.com
画本 - 奥村文絵 http://www.gahon.jp
800 for eats http://800foreats.com
http://www.excite.co.jp/ism/concierge/rid_4750/pid_1.html
レクチャー後は、パーティーです。
奥村さん、ありがとうございました。
次回のレクチャーをおたのしみ。
(Y.W)