雨ですね〜。
5月GWから駅前のリファーレと21世紀美術館の市民ギャラリーで行われている展覧会「金沢・世界工芸トリエンナーレ」にいってきました。そのレポートをお送りしますー。
おおきく説明すると工芸をKOGEIと表記し、従来の定義を再び問い直す展覧会でしょうか。リファーレの会場は、むかし本屋さんだった空きスペースに仮設のテントを入れて、5人のキュレータ毎に展示空間をつくりあげてます。あぜ道に見立てたカーペットはお客さんをテントへと誘導してます。テントの外には巨大な作品たちが展示されています。
5人のキュレーターがそれぞれのコンセプトのもと、作家と作品を選んで展示しているのですが、作品はみんなそれぞれ独特の表情をしてました。ガラスをつかっていたり、漆をつかっていたり、服や、陶、磁器。。。でも器だけではなく、アート、建築、ファッションなどにわたって工芸的なものを集めて展示されています。僕は作品からひしひしと伝わってくる作家の生きかたにとても感激しました。何十年も同じ作品をこんこん叩いて作ったり、緻密な作品を根気よくつくっていたり、作品がいきいきしてました。工芸?ってみなさんいうかも知れませんが、一度「工芸」というものを考えてみるのもいかがでしょうか?
開催と同時に開かれたシンポジウム「工芸的ネットワーキング」にも参加してきました。各キュレーターが今回の展覧会で選出した作家とそのコンセプトを説明し、工芸についてディスカッションを行うというもの。技術でみると、アートもいわゆる工芸も同じくくりにできる。工芸的な純度の違いで100%もあれば10%もあって。10%はその分表現のほうに力が入ってくるのだそう。なるほどな〜。
また、工芸に関する批評、言説がまだまだ不十分だといってました。器のかたちだけみたら、批評なんて出来なさそうですが、表現・思想の軸をいれると批評・言説が生まれてくる。そこから日本の工芸の発展、国際化を目指していこうと話されました。村上隆や奈良美智に代表する欧米の視点から作られた日本アートシーンの話もされましたが、表現・批評という軸が入るとまた欧米的なのかな?って感じもします。そこが難しそう。「表現」の軸だけで測れない、人生をかけて制作してきた作品や、こつこつと作ってきた器たちのもつ独特の雰囲気や味わいはどう評価するか。どうやら僕たちは知らず知らずのうちに欧米の批評教育になれてしまっているのかもしれませんね。工芸に対する考え方、刷新された思いで面白い展覧会でした〜。
もしみなさんまだ見に行っていなかったら、是非!
(NN)