みなさま
いつもお世話になっております。
2008年最後のCAAKレクチャーシリーズは、千葉トリエンナーレ(以下チバトリ)の実行委員長の神野省吾さんをお招きしました。
今回は、チバトリでスタッフとして関わった千葉県の大学生18名も来沢しました。
まず、県外の学生が多く訪れたので、レクチャー前にCAAKのコンセプトやこれまでの活動など説明させていただきました。
次に、金沢アートプラットホームで、古い町家を展示会場に使い、暗さのなかでかすかに見えてくる風景の美しさがあるのではないか、というテーマで製作された『ウシミツ』の作家である高橋治希さんもレクチャーしていただきました。
高橋さんが設立の準備をされている、2009年4月1日にオープン予定の任意団体『アートグミ(NPO申請中)』のコンセプト、拠点の建築物に関する説明をしました。
アートグミの『グミ』は、1組2組の「組」、ものを「くみ」合わせる、お菓子の「グミ」という3つの意味を持っています。
アートグミの拠点は、金沢の台所である近江町市場の近くにある旧地方銀行です。
これは、村野藤吾氏が設計した昭和7年の建築で、内観はトロな雰囲気を残しています。曵き屋によって、元あった位置から約20Mも移動しています。
金沢アートの発信や世界のアートの情報を発信・収集して、アートに関わりたいと思っている人が、アート情報に関わりやすく、見やすくなるように活動していきます。
情報収集だけでなく、イベントや展覧会が開けるスペースの1、2階を活用できるそうですよ。
アートとまちづくりをつなげる接着剤としてアートグミが活躍することは、金沢をさらに「いきいき」としたまちにして行きそうですね。
変わって、神野真吾さんが千葉アートネットワーク・プロジェクト『WiCAN』、千葉トリエンナーレと横浜トリエンナーレの違いを説明していただきました。
WiCANは、千葉大学の授業です。つくるシリーズの「文化をつくる」受講生がプロジェクト実施することで単位になります。
大学の授業でありながら、美術館、まちづくりNPOなどと連携し、アートを核にした活動をおこないます。
神野さんは、WiCANの引き継ぎ時に正しい・正しくないを追体験することがアートであると考え、やることを目的化しない、商店街などのネットワークが学生だからしょうがなく付き合ってくれていたことなどが問題点として見えたそうです。
横浜トリエンナーレ2008のテーマは「タイムクレヴァス」であり、大きな予算を昔の特権意識に根ざした美術のあり方を目指したものでした。
一方で、同時期に開催したチバトリは「等身大」をテーマとし、日常的の感覚でわかりやすい作品を集めた「ひらがなアート」というタイトルがつけられました。
WiCANの参加者は、美術・アートが専門でない学生も参加しています。
この条件は、アートプロジェクトに不利だと考えがちですが、現実社会のモデルと見立てると社会におけるアートの可能性を広める場として最も適していると考えられると思います。
金沢アートプラットホームも美術・アートに触れたことのなかった人もアートを通して、コミュニティを創り、何かをつかみ取り都市を『いきいき』とした活動の場としていくという所が似ていますね。
レクチャー後は、みんなでパーティ。
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